圓福寺大師堂で第21回寺宝展「絵入本の競演」 圓福寺に伝わる貴重古典籍公開

  2026/2/26
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 第21回寺宝展「絵入本の競演 ― 奈良絵本と丹緑本 ―」が2月14日・15日、銚子市の圓福寺大師堂で開かれた。両日とも、慶應義塾大学附属研究所斯道文庫の佐々木孝浩教授による解説講演が行われ、午前・午後ともにほぼ満員となった。

 この日は併せて、千葉県指定有形文化財の「釈迦涅槃図」も公開された。
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千葉県指定有形文化財「釈迦涅槃図」

祖父の収集から始まった文化資産

 圓福寺に世界水準とも言える古典籍が残る背景には、現住職・平幡照正氏の祖父の存在がある。

 祖父が長年にわたり収集してきた古書の数々は、寺の書庫に大切に保管されてきた。現住職の平幡氏は、その価値を確かめるため、約13年前に慶應義塾大学附属研究所斯道文庫へ鑑定・調査を依頼。専門家の調査により、歴史的にも極めて価値の高い資料であることが明らかになった。

 その後、地域にも広く公開したいとの思いから寺宝展が始まり、今回で21回目を迎えた。
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慶應義塾大学附属研究所斯道文庫 佐々木教授の講演

世界が注目する「絵入本」の文化

 今回のテーマは「絵入本の競演 」。佐々木教授は、現代のMANGA(漫画)が世界共通語となり、海外の美術館でも漫画展が開催されている現状を紹介し、その源流が日本の古い絵巻物や絵入本にあると解説した。

 室町時代の「稚児物語」などでは、絵の中に直接文字を書き込む形式が見られ、現代漫画に通じる表現も確認できるという。

 また、江戸時代の豪華な嫁入り本では、金泥を用いた装飾や大判の紙を使用した豪華本が展示され、「竹取物語」の一場面などが紹介された。
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室町から江戸時代にかけて作成された絵入本がずらり

地域に眠る文化資源の可視化

 地方寺院に保管されていた古典籍が、専門機関との連携によって価値を明らかにされ、継続的に公開されている事例は珍しい。

 寺宝展は単なる展示ではなく、地域に眠る文化資源を掘り起こし、学術的裏付けを持って社会に開く取り組みとして続いている。

 両日とも会場はほぼ満席。地域内外からの関心の高さがうかがえた。
(飯田)
円福寺では年間通じて多くのイベントや催し物を開催する。
詳細はホームページご閲覧ください。

http://iinumakannon.com/
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