【2026年9月・10月】佐原囃子が聴ける日|大祭だけじゃない、佐原に響く「祭りの音」

香取   2026/9/11

佐原の町を歩いていると、どこからか笛や太鼓の音が聞こえてくる。

佐原の人にとっては馴染み深く、初めて訪れた人なら「何の音だろう?」と足を止めたくなる音。

それが、佐原囃子(さわらばやし)です。

佐原囃子といえば、まず思い浮かぶのが「佐原の大祭」。

佐原の大祭は、7月の夏祭りと10月の秋祭り、それぞれ3日間にわたって開催されます。大人形を載せた山車が歴史的な町並みを進み、その山車の上から聞こえてくる佐原囃子は、祭りの風景に欠かせない存在です。

でも、佐原囃子を聴けるのは、夏祭りと秋祭りの年6日間だけではありません。

演奏会や山車の特別曳き廻し、山車会館の山車の搬出・搬入、地域の祭礼など、佐原では大祭以外にも佐原囃子に触れられる機会があります。

2026年9月から10月にかけては、そんな「佐原囃子が聴ける日」が続きます。
さらに9月20日には、佐原囃子保存会 牧野下座連による新作CDも発売。

10月9日(金)・10日(土)・11日(日)の佐原の大祭秋祭りを前に、まずは「音」から佐原の祭り文化に触れてみませんか?

2026年9月・10月「佐原囃子が聴ける日」

9月12日(土)|下座舟

時間:①11:00〜 ②13:30〜
出演:麻生 下座連

水運で栄えた佐原らしく、舟から奏でられる佐原囃子を楽しめる「下座舟」。
町を歩きながら聞こえてくる囃子とはまた違った、水辺に響く音を楽しめます。

同じ9月12日には、青少年による佐原囃子発表会も開催されます。

9月12日(土)|第2回 青少年による佐原囃子発表会

開場:13:00/開演:13:30
会場:みんなの賑わい交流拠点コンパス

出演:佐原中学校/潮来一中/佐原高校
模範演奏:佐原囃子連中

今回ぜひ注目してほしいのが、「青少年による佐原囃子発表会」です。
佐原囃子は、昔の音楽を資料として保存しているだけのものではありません。
実際に演奏する人がいて、それを習い、覚え、また次の世代へ伝えていくことで、現在まで続いています。

中学生、高校生による演奏を聴けるこの発表会は、佐原の祭り文化が次の世代へ受け継がれている「今」を感じられる機会でもあります。

9月13日(日)|佐原囃子特別演奏

時間:①11:00〜 ②13:00〜
出演:佐原囃子 上仁會
会場:水郷佐原山車会館 1階展示スペース

実物の山車が展示されている水郷佐原山車会館で行われる特別演奏です。

山車を間近に見ながら囃子を聴いてみると、「この大きな山車の上で、こんな音楽が奏でられているんだ」と、大祭の見え方も少し変わるかもしれません。

9月19日(土)|香取市合併20周年記念 本宿地区山車特別曳き廻し

9月19日(土)には、「香取市合併20周年記念 本宿地区山車特別曳き廻し」が行われます。
この日は本宿地区の山車が曳き廻され、夕方には10台の山車が小野川沿いを巡行します。

ここで注目したいのが、この「巡行」です。

佐原の大祭では毎年山車の曳き廻しが行われますが、複数の山車が列を組んで進む巡行が見られるのは、3年に一度の本祭の年。そのため、本祭ではない2026年に10台の山車による巡行を見られる今回は、とても貴重な機会です。

歴史的な町並みと小野川を背景に、山車が次々と進み、それぞれの山車から佐原囃子が響く――。

演奏会でじっくり聴く佐原囃子とはまた違う、山車と囃子、そして佐原の町並みが一体になった祭りの風景を楽しめます。

10月の佐原の大祭秋祭りを前に、佐原の祭り文化を体感できる特別な一日です。

9月20日(日)|新作CD 佐原囃子『甦れ 佐原の唄』発売

「聴ける日」とあわせて紹介したいのが、佐原囃子を音として残し、伝える取り組みです。

9月20日(日)、佐原囃子保存会 牧野下座連による新作CD、佐原囃子『甦れ 佐原の唄』が発売されます。

収録時間は79分、全20曲。

「佐原小唄」「佐原音頭」「水郷小唄」「利根の月」「佐原おどり」「佐原慕情」などの「佐原の唄」をはじめ、佐原囃子の「端物」「段物」「役物」も収録されています。

さらに、令和8年に完全復曲された長唄「水の郷」や、平成20年にライブ録音された『甦れ佐原の唄』も収録。
佐原に残る唄と囃子を、じっくり「聴く」ことのできる一枚です。

発売日:2026年9月20日(日)
価格:2,500円(税込)

9月20日からは、多田屋佐原店、水郷佐原山車会館、大友レコード店、佐原駅前観光案内所、道の駅水の郷さわら、町並み中央観光案内処で地元先行発売。

10月13日以降はAmazonでの販売も予定されています。

祭りで聞こえてきた曲をもう一度聴いてみたり、それぞれの曲の違いを聴き比べてみたり。

「祭りの日に聴く」だけではない佐原囃子の楽しみ方が広がります。

10月3日(土)|西関戸区 山車会館搬出

水郷佐原山車会館に展示されている山車の入れ替えに伴う搬出です。

大祭の開催日以外にも、山車が町へ出る機会があります。

山車のある佐原の日常と祭りの間を感じられるのも、こうした日の面白さです。

10月9日(金)・10日(土)・11日(日)|佐原の大祭 秋祭り

そして、いよいよ佐原の大祭秋祭りです。
佐原の大祭は、7月の本宿祇園祭(夏祭り)と10月の新宿秋祭り(秋祭り)からなり、それぞれ3日間開催されます。

秋祭りでは、新宿地区の山車が町を曳き廻されます。

山車の上から響く笛、鼓、太鼓、すり鉦。

一台の山車から聞こえていた囃子が遠ざかると、別の通りからまた違う山車の囃子が聞こえてくる――。

町そのものが祭りの音に包まれる3日間です。

演奏会などで佐原囃子を聴いてから大祭へ行くと、「祭り囃子」というひとつの音として聞いていたものが、少し違って聞こえてくるかもしれません。

10月12日(月)|北横宿区 山車会館搬入

秋祭りが終わった翌日には、水郷佐原山車会館への山車の搬入があります。

大祭が終わったらすべてが終わり、ではありません。

山車が町から山車会館へ戻るところまで含めて、佐原の祭りのある風景は続いていきます。

10月17日(土)・18日(日)|大麻神社例大祭

佐原の大祭秋祭りが終わった翌週には、大麻神社例大祭が行われます。

10月後半まで、佐原囃子に触れられる機会は続きます。

※開催時間や内容などは変更になる場合があります。お出かけ前に最新情報をご確認ください。

そもそも「佐原囃子」とは?

佐原囃子は、佐原の大祭の山車巡行とともに受け継がれてきた祭り囃子で「日本三大囃子の一つ」と紹介されています。
一般的な祭り囃子に多いリズム主体の音楽とは異なり、情緒豊かなメロディーを主体としていることが大きな特徴です。

演奏する囃子方は「下座(げざ)」と呼ばれます。

笛、大鼓、小鼓、大太鼓、小太鼓、すり鉦など、さまざまな和楽器によって演奏され、その編成の豊かさから「和楽器のオーケストラ」と表現されることもあります。

実際に聴いてみると、「祭り=太鼓」というイメージとは少し違うことに気づくはず。
笛の旋律に鼓や太鼓、鉦の音が重なり、ゆったりとした曲から賑やかな曲まで、山車の動きや祭りの場面に合わせてさまざまな表情を見せます。

知ってから聴くと面白い!佐原囃子の豆知識

① 佐原囃子には50曲以上ある

初めて佐原の大祭を見る人には意外かもしれませんが、佐原囃子はひとつの曲ではありません。

現在、50曲以上の曲目があり、大きく

「段物(だんもの)」
「役物(やくもの)」
「端物(はもの)」

の3種類に分けられています。

つまり、大祭で山車から聞こえてくる曲は、ずっと同じではないのです。

これを知っているだけでも、「さっき聞いた曲とは雰囲気が違う」と、山車だけでなく「音」にも意識が向くようになります。

② 「段物」は佐原囃子の神髄

「段物」は、佐原囃子の神髄ともいわれる格調高い曲。

能や歌舞伎の影響を受けながら発展したとされ、「吾妻」「神田」「巣ごもり」「さらし」「八百屋」「段七」などがあります。

山車がメイン通りなどをゆっくりと進むときに演奏されることが多く、賑やかさだけではない佐原囃子の魅力を感じられます。

初めて聴く人こそ、笛の旋律に少し耳を澄ませてみてください。

「祭り囃子」という言葉から想像していた音とは、少し違って聞こえるかもしれません。

③ 山車の出発や帰還にも「音」がある

「役物」は、儀式的な意味を持つ曲です。

「砂切り」「馬鹿囃子」「はな三番叟」などがあり、山車の出発や帰還など、祭りの節目でも演奏されます。

大祭を一日通して見ていると、山車がただ町を巡っているのではなく、祭りの場面と音楽が結びついていることが見えてきます。

④ 民謡や流行歌も取り込んできた「端物」

そして、佐原囃子の幅広さを感じられるのが「端物」です。

俗曲や民謡、ほかの地域の囃子などを佐原囃子風にアレンジしたもので、「佐原音頭」「佐原小唄」「大漁節」「船頭小唄」など、多彩な曲があります。

昔からの形をただ変えずに残してきたのではなく、さまざまな音楽を取り込みながら演奏されてきたことも、佐原囃子の面白さです。

約300年の祭りとともに、今も受け継がれる佐原囃子

佐原の大祭は、約300年の伝統を持つ祭りです。
「佐原の山車行事」は国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年には「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

けれど、佐原囃子を「昔から残っている伝統文化」とだけ捉えてしまうと、その魅力の一部しか見えてこないのかもしれません。

2026年9月12日には、中学生や高校生が佐原囃子を演奏します。
地域では今も下座連が活動し、祭りや演奏会で囃子を奏でています。
9月20日には、牧野下座連による新作CD『甦れ 佐原の唄』も発売されます。

演奏する人がいる。
聴く人がいる。
覚える人がいる。
そして、次へ伝える人がいる。

だから佐原囃子は、約300年の歴史を持ちながら、今も佐原の町で鳴り続けています。

大祭の年6日間だけじゃない。佐原の「音」を聴きに行こう

7月の夏祭り3日間。
10月の秋祭り3日間。

もちろん、この年6日間は佐原囃子を体いっぱいに感じられる特別な時間です。

でも、佐原の祭り文化は、その6日間だけ存在しているわけではありません。

大祭に向けて練習する人がいて、演奏する機会があり、山車が動く日があり、次の世代へ伝える活動があります。

そして、大祭が終わっても、その営みは続いていきます。

だからこそ、今回紹介したような日に佐原囃子を聴いてから大祭を訪れてみるのもおすすめです。

今まで「山車を見る祭り」だった佐原の大祭が、次に訪れたときには、「音を聴く祭り」にもなっているかもしれません。

この秋はぜひ、佐原の町に響く「祭りの音」に耳を傾けてみてください。

#スイゴウナウ
#スイゴウナウ
\スイゴウの人がスイゴウの今を紹介!/ スイゴウに住むスイゴウの人が千葉県・茨城県にまたがる利根川下流域や霞ヶ浦周辺の水郷エリアの情報の...
プロフィールや他の投稿を見る

シェア送る