
武蔵野美術大学とロータスケアセンターが共同展覧会 高齢者施設で創作活動の力を実証
2/17(月)武蔵野美術大学とロータスケアセンターが共同展覧会
高齢者施設で創作活動の力を実証
武蔵野美術大学の学生と医療法人弘仁会が共同で、介護老人保健施設「ロータスケアセンター」(船橋市藤原5-23-1、TEL047-439-6011)において2月17日からアート展覧会「ムサビサンサン」を開催している。作品展示やワークショップを通じ、利用者に創作の楽しさを伝え、活力を届ける狙いだ。会場では、若杉ゼミの学生たちによる個性的な作品が並び、多くの関心を集めている。
超高齢社会を迎えるにあたり、「その人が、その人の望む場所で、その人らしく最期を迎える」ために、地域包括ケアシステムが重要視されている。医療法人弘仁会が運営する「ロータスケアセンター」では、リハビリを通じて在宅復帰を目指す施設のイメージを一新し、利用者が元気になれる場を提供するため、武蔵野美術大学と共同でアート展覧会を企画した。
展覧会は2月17日から3月17日まで開催。施設の1階ホールから屋上までを活用して15点の作品が展示されている。参加したのは武蔵野美術大学・若杉ゼミの3年生14人と4年生1人。
作品の一つ、「なんでも百面相」を制作した鶴岡正也(つるおか まさや)さんは「コロナ禍でマスク生活が続き、表情が見えにくくなったことがきっかけでした。病院でもマスクをする場面が多いので、表情の豊かさを思い出してもらえたらと思い制作しました」と話す。100点ものお面には、「叫びながら走ってくるゾンビ」などユニークなタイトルが付けられ、訪れた人々の興味を引いている。
家電や無機物、野菜などに小さな命を与えた作品を展示する長澤愛菜(ながさわ あいな)さんは、「小さい頃から無意識に描き続けてきたものを、今回初めて展示することになりました。多くの人に見てもらうことで、新たな気づきや自信につながりました」とコメント。
生き物を独自の視点から表現する作品を展示している門田柊介(かどた しゅうすけ)さんは、「版画のような力強い線とカラフルな色彩を組み合わせることで、より魅力的な表現ができると感じています」と話す。
施設側は「学生の創造力が利用者に刺激を与え、会話が増えるなど好影響が出ている」と評価。2月22日13時~15時(入所者、通所利用者の方のみ)、3月4日13時~15時(外部の人も参加可能)には参加型イベント「フラワーワークショップ」も企画、世代を超えた交流の場を提供する。
展覧会は3月17日まで開催され、一般来場者も予約制で受け付けている。医療と芸術の融合による新たな可能性に、多くの人が触れる機会となっている。
予約・問い合わせは047-439-6011(9:00~17:30対応)