本町通りの稲荷屋、建て替えで9月15日をもって一時休業へ

船橋   2026/8/7

本町通りの稲荷屋が建て替えで9月15日をもって一時休業へ

慶応元年創業の老舗が新しい100年に向けて

 船橋大神宮の表参道にあたる本町通りで営業する日本料理店「ふなばし 稲荷屋」(船橋市本町1-12-12、TEL047-433-3131)が9月15日の営業を最後に、店舗の全面建て替えに伴う長期休業に入る。

 休業は9月16日からで、新築後の営業再開は2029年春ごろを予定している。いまのところ、新体制でのスタートまでは、他の場所での営業なども計画していないという。

 同店は慶応元(1865)年創業。江戸と成田山を結ぶ成田街道の宿場町として船橋が栄えていた時代、東京湾で取れた江戸前の魚やうなぎを扱う料理屋として始まった。創業当時から現在の場所で変わらず営業を続けてきた。現在はうなぎのほか、三番瀬や房総の海山の幸など地元の産品を取り入れた日本料理を提供し、顔合わせや七五三、法事、宴席などにも利用されてきた。

 経営は代々受け継がれ、6代目の石井文博さんらが現在の店を担う。2014年には船橋市が紹介する「ふなばし産品ブランド」に、同店の「うなぎ沢煮」が選ばれた。2024年には店内で「第一回稲荷屋落語会」も開かれるなど、本町通りの老舗料理店として地域文化に関わる場にもなってきた。

 石井さんによると現在の建物は築60~70年ほど。建て替えについて石井さんは、10年前でも20年後でも可能だったとした上で、次の世代まで店を残していくことを考え「今が一番のタイミング」と判断した。新しい建物の階数や店舗構成、席数などはまだ検討段階だが、創業地で稲荷屋の営業を再開する方針。現在の照明器具や器なども一部を残し、新店舗での活用を検討している。

 若女将で文博さんの妹にあたる智子(ちえこ)さんは同店で生まれ育ち、中学校2年生頃から土用の丑の日には店頭に立ってうなぎを販売を担当してきたという。「ここで生まれ育ったので、家がなくなるような感じ。長い間閉まってしまうのはとても寂しい」と話す。一方で建て替え後も店は続く予定で、文博さんは「今までのお客さまにも満足してもらえる形を模索している」とする。

 営業時間は平日11時30分14時、16時半~22時、日曜・祝日11時30分14時、16時半~21時。水曜定休。総席数200席。9月15日が現店舗での最終営業日となり、16日から建て替え休業に入る。

  • 多くの人の人生を見守ってきた厨房

  • 調度品や照明の一部は新店舗に引き継ぐものも

  • 建て替えにあたって、中庭の鯉も引き取り手を探した

  • 鰻や川魚、地元の魚を提供する稲荷屋

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